多次元累積和を用いて多次元配列の矩形範囲の総和を計算するときに必要になったので,包除原理の拡張を考えました.
全体集合の個の部分集合と写像を考えます. このとき,和集合の全ての要素のによる像の総和について次の等式が成り立ちます.
のとき,和集合の要素数 を計算する通常の包除原理と一致します.
証明
数学的帰納法を用いて証明します.
まず, ,即ち集合が1個のときを考えると,
より成り立ちます.
次に,個の集合について成り立つと仮定し,個の集合について考えます.
ここで,
より,
よって,個の集合についても成り立ちます.
以上より,全ての正の整数 について成り立つことが示されました.